あーっ、勘違い。でも、それなりの理由がある。

(原 文)

 天つ風 雲の通ひ路 吹きぢじよ をとめの姿 しばしとどめむ

                        僧正遍昭

(解 説)

 天の風よ、雲の切れ目にある天と地を繋ぐ通り道を閉ざしてください。天女をもう少し見ていたいから。宮中での宴席で美しい舞姫に心奪われています。

僧正はお坊さんの最高位。

(私の体験 1  恋するお坊さん)

 あー、勘違い。72歳になるまで、ずっと「お坊さんの苦悩」という括りの中で解釈していました。何故か? 初めてこの和歌を耳にした時、「旅をするお坊さんが、草原で立ち止まり、じっと雲の切れ目を見ている」ーーそんなイラストを目にしたからです。ルール違反とは知りながら、こんな和歌を読むほどに舞姫は美しかったのか、とか、道に外れて舞姫に恋をするとはこの坊さん人間味があるなあ、とか・・・。ところが、この歌が読まれたのは、作者が出家する前のこと。となれば、何も問題はありません。それを知ったのは去年のこと。歌の解釈がまるっきり変わります。あー、恥ずかしや。

(私の体験 2 旗の位置)

 職場でも同じような誤解がありました。旗の位置に関してです。とある式典で、客席から見て左に市旗、右に国旗を飾っていました。一般とは逆になっています。何故そうなったのか? 「客席から見て」と「客席に向かって」とを勘違いしたからです。

 旗の位置については少しややこしいので、北海道の伊達市では市旗取扱い規程なるものを定めています。曰く「国旗と市旗を合わせて形容する場合、国旗を上位とし、正面に向かって左を国旗、右を市旗とする」。様々論争があったのでしょうね。

 論争の種は、日本では「左上位」が基本(天子南面す、という言葉があります。天子が北を背にして座ると左が太陽の昇る方向、つまり上位)。しかし国際的には「右上位」が基本。旗の場合は国際儀礼に則ったんでしょうね。ややこしいですね。